本研究は、新興国市場におけるグローバル・マーケティング戦略の成功は、新興国市場、中国、ASEAN、インド市場においてボリュームゾーンを形成する中間層を表の競争力としてのマーケティング力によっていかに満足させるかにかかっていることの重要性を、パナソニックとソニーのマーケティング戦略の実態調査によって解明した。この両社はいずれもそれぞれの市場において、他国の企業に先行し参入しながら、参入新興国の顧客ニーズを軽視した先進国型のマーケティング戦略によって参入したため、後発企業の韓国系のサムスン電子やLG電子に競争優位を奪われた。今、この反省をもとに、新興国主導型のマーケティング戦略の再構築をしている。