九世紀に行われた宮中儀礼の一つである「大儺」(追儺)の儀礼をめぐって、その場で陰陽師が読誦した「儺の祭の詞」の祭文に注目し、祭文の側から見えてくる儀礼の思想を論じた。あわせて、いざなぎ流祭文の研究を射程にいれ、「祭文」の歴史的な展開を提示した。