議席の人口比例配分の問題に対する幾何学的アプローチが提示された。議会の総定数を複数の地区に近似的に人口比例配分する作業が、各地区の人口で構成される多次元空間を複数の領域に分割し、各領域に固有な定数を割り当てる作業としてモデル化された。また、このモデルでは、各種の配分方式の特質が各領域の境界(配分境界)の性質に反映されることが示された。そして、このモデルによって、除数方式が人口パラドクスやアラバマ・パラドクスを起こさない理由や、人口規模による配分議席の偏りの問題がうまく説明できることから、幾何学的アプローチの有効性が主張された。