キーワード:オストロゴルスキー・パラドクス、二大政党政治、イシュー別直接投票、ハミング距離、分離不可能な選好
本稿はオストロゴルスキー・パラドクスに関する過去の諸研究を再検討し①~④を結論した。①過去の諸研究は(ⅰ)イシュー別直接多数決の結果と(ⅱ)政党選択選挙の結果の不一致に注目する点で今も意義を持つ。②しかし投票者の選好に過度に単純な仮定を置いたため(ⅱ)より(ⅰ)が望ましいと言えるケースだけが論じられている。③この仮定を外せば(ⅱ)の方が望ましいと言えるケースなど、多様なケースが想定しうる。④よっ