本稿は近年の海外での実証研究をリビューし、以下二つのジレンマの解決可能性を論じた。第一に、キャリーオーバー効果による意識項目間の相関の変化は大問題だが、その経験的観察は困難である。よって、この問題を敢えて思弁的に扱うか無視してしまうかで、従来の議論はジレンマに陥っていた。第二のジレンマは、効果軽減のために関連項目間に緩衝項目を挿入すると、調査票が散漫になる、というものである。