キーワード:調査法,反応性,予測妥当性 意図の測定によりその後の行動を予測する際、その予測妥当性は測定の反応性によって自己発生することがある。事前の意図表明に沿った形で現実の行動が遂行されるためである。よって、同一人の意図表明と実際の行動が符合するからといって、「意図を調べれば行動が予測できる」とか「行動を観察するかわりに行動の意図を尋ねればよい」といった言説は必ずしも正当化されない。本稿はこの事を、「予測誤差の自己消去」という過去の知見の再解釈により指摘した。