比較近代社会論の確立のために尽力したヴェーバー、ゾンバルト、ラートゲン、ゴートハインらをめぐっては、その研究教育活動上の交錯が認められる。そこで、大学を舞台とした彼らの活動と、その相互関係を、第一次史料に依拠して解明した。とくにヴェーバーにかんして、その比較社会学的研究の確立過程と、健康を恢復して新たな教育活動に乗りだそうとする過程とがパラレルであり、最終的にミュンヒェン大学国家経済学部における教育活動が、彼の学問的見地の集大成になることを論証した。