キーワード:実業教育、渋沢栄一、実業之日本社、商業道徳、関東大震災
『実業講習録』シリーズは、1915年から1922年まで、比較的に小規模な改訂が加えられ、1923年には大規模な刷新が企てられる。このとき、帝国実業講習会総裁である渋沢は、シリーズのなかに「商業道徳」編を組みいれることを望み、みずからその任に当たった。第一次世界大戦後の国際情勢は、日本の経済・産業にとって好機とみられたが、この『講話』は、こうした浮かれた風潮に冷水を浴びせかけるかのような手厳しい論調を有しており、日本の国益をこそ最優先せよ