キーワード:マックス・ヴェーバー,『経済と社会』,理解社会学,社会政策学会,価値判断論争
ヴェーバーの『理解社会学論』を『経済と社会』旧稿のためのカテゴリー論として位置づけるのが適切であるか否かにかんしては論争がある。折原浩は,この両者の整合性を論証したが,『理解社会学論』の執筆事情については見過ごされていることがある。それは,この論文が,社会政策学会への「意見書」の補完物として急拵えで作成されたという事情である。そこで本稿では,「意見書」と『理解社会学論』とが密接に関係づけられていることを,リッケルト