本稿では、「石台孝経」の書美の源を探り、漢隷とはまったく書風が違う唐隷の基礎がどのあたりにあるのかを究明した。そして、「石台孝経」が隷書の変遷史の中で重要な位置にあり、唐隷の気品がないとして捨て去るべき存在ではないことを明らかにした。