本研究は緊急一時宿泊事業(シェルター)利用者の実態を明らかにし、今日の貧困対策のあり方を提起することを目的としている。報告ではA市の緊急一時宿泊事業を2012年度に利用した597人のデータから若年層、女性、刑余者、精神・知的障害者など可視化が難し く要保護状態にある生活困窮者の生活実態に関する分析結果を報告した。また、シェルター利用者の実態から就労支援策に傾斜を強める今日の貧困対策の問題点を指摘した。