「袁世凱加筆民国憲法草案」は諸橋轍次博士(1883―1982)が保存していた墨跡文献の一つであり、新潟県三条市にある諸橋轍次記念館に現存しているが、まだ公開していないし、研究されていない。翻字作業からその内容を解読し、執筆者張琴の身辺調査、彼と袁世凱との関係および清末民初の歴史的背景から草案成立の経緯を探り、さらに同時代における複数の憲法案と対照し、「宣統三年十一月□□日全国聯合進行会代表張琴等致内閣袁世凱呈」との関連性があったということを突き止めた。