「袁世凱加筆民国憲法草案」は諸橋轍次博士(1883―1982)が保存していた墨跡文献の一つであり、新潟県三条市にある諸橋轍次記念館に現存している。本論文はこの「民国」が生まれる前の「憲法草案」について、その意味合いはどのようなものか、最終的に完成されていたものがあったかどうか、またあったとしたらどのような形で定着されていたか、そこに「民国」に関する設計図としてどのような構想が現れていたか、既に知られている当時の諸憲法との異同はどうか、などについて検証し、探求するものである。