キーワード:魯迅、「阿金」、留青小築、大陸新邨、『支那人気質』 本論文は魯迅の短編「阿金」の創作のメカニズムおよびその過程を解析して、それまでの単純な「身辺雑記」説を再検討し、それが正真正銘のフィクションだと論証するにとどまらず、これまでほとんど触れられなかった問題として、作品の裏にある長期的な下準備やより広い近代的思想・文化の背景を掲示することによって、中国近代作家・魯迅を解読するための新たなプローチを試みたものである。