キーワード:魯迅 ニーチェ 桑木厳翼 高山樗牛 登張竹風 齋藤信策
魯迅とニーチェという研究の枠組みの中で、本篇は二つの試みを行った。一つは研究視点の調整である。後ろから見た「魯迅」を、前から見た「周樹人」に調整し、前から後ろに向かって「ニーチェ」が「周樹人」から「魯迅」までの過程における同行の軌跡と影響を見た。もう一つは清国留学生周樹人が直面した<ニーチェ>はいったいどのようなであったかを確認したことである。方法論としては、本篇は「周辺」という概念を導入しつつ、「ニーチェ」を留学生周樹人周辺の要素とし