隋の彦琮(557-610)の漢訳論について、これまで中国の研究者がその成果を発表してきている。しかし、それらは彦琮の『弁正論』に説かれる「八備」に終始しており、そこに帰着する背景を論及したものはなかった。本発表では、これを分析するとともに、彦琮の前後に組成された各種漢訳論との相違についても解明した。