隋の彦琮が撰述した『福田論』は東晋以来議論されてきた出家者の礼君問題を扱っている。煬帝の大業令に抗う目的で撰述されたと考えられているが、それだけではなく、仏教教団と出家者の廃頽に対して警鐘を鳴らすべく撰述されたことを提起した。それは北周の廃仏を経験した彦琮にとって喫緊の課題だったのである。