北朝末から隋にかけて活躍した釈彦琮について、当時は国家仏教の展開に大いに貢献したにもかかわらず、その後の宗派仏教の祖師に擁立されなかったために、その功績が正しく検証されることはなかった。本講座では中国仏教研究への関心を引くねらいで、彦琮を例として取り上げ、見落としがちな研究の死角と、そこに分け入る意義について発表した。