隋唐浄土教における礼讃偈の通俗性を、文壇の詩と比較しつつ論じた。中でも中唐の詩僧法照の礼讃偈に焦点をあてて、彼自らが作った詩と礼讃偈においてその作風を異にしていることを指摘し、その背景について考察を加えた。それは純文学作品・鑑賞作品に対して、礼讃偈が実際の礼讃儀礼に用いられる実用品としての性格が強く、そのために民間音によって作られていることが判明した。