宗祖法然の戒観や浄土宗学史(特に江戸期)における戒の位置づけと表現を俯瞰しつつ、阿弥陀仏によって捨てられた戒の相伝(授戒と、その実践(持戒)における意義について報告した。過去の実態を明らかにするだけでは戒の意義は発揮しえない。過去をふまえた上で現代においていかに解釈し表現するかによって、はじめて機能するものと思われるからである。