近世浄土宗は僧風を正すべく戒律が復興された時代である。その中でも布薩に焦点をあてて考察した。内容は布薩伝法と布薩説戒に分けて、前者は布薩戒を相伝する秘奥の儀式であったこと、後者は受戒後に行われる説戒について、それぞれいついかなる目的で導入され、その実態は何か、またいつ終焉をむかえたのかについて論じた。