『孝順子修行成仏経』はわずかに敦煌石室から発見された一本だけが知られている。これを中国社会科学院の方広■博士が校訂し解説を加えている。本稿では方博士の校訂を詳細に検討して正すべきを正し、また本経における特徴的な語彙語法成文を抽出し、これを他の仏典における使用状況と比較することによって、南北朝後期に中国で撰述され、かつ俗諺俗語が多く含まれていることを論述した。 (書評論文)