敦煌石室本の『七女経観』はいつだれによって編集されたかは不明であるが、呉の支謙によって訳された『七女経』や、『経律異相』に収められている別本の『七女経』をたよりに、そしてまた経中に説かれる偈頌の韻律(濁上変去説)から唐代八・九世紀以後に『七女経』を改変したテキストであることを論証した。そしてまた偈の韻律によって解明しうる可能性についても述べた。