漢語仏典の偈頌における原初形態の復元についてその可能性を探ることを目的としている。資料を、①漢訳経典の偈、②中国撰述経典の偈、③浄土教礼讃文の偈に分類した上で、それぞれのテキストを写本版本から収集し、句末脚韻字の押韻や句中の平仄にもとづいてテキスト校訂しうる可能性をさぐり、またすすんでたとえ校訂異本が存在しない場合でも、中国語音韻学の視点から校訂しうることを述べた。