梵語gathaは、後漢の安世高によって「絶」と漢訳されたが、同じく後漢の支婁迦讖からは「偈」や梵漢合成語の「偈頌」が定着し、更に後世になると「伽他」と訳されるようになる。ここでは安世高が用いた「絶」から、支婁迦讖より以後はなぜ「偈」が採用されるようになったのか。また「偈」とは「陀」が略された語なのか、「伽他」へと改訳された原因は何か、そして意訳的な「縛束」「束結」などもあわせて検証した。