中国浄土教の礼讃偈は多種多様なテキストが現存しているが、実際の儀礼の場に用いられる体裁(テキストの構造と礼讃偈の格律)を具えるのは唐代からである。本稿ではそれ以前の礼讃偈について、世親の『往生論』から善導の『般舟讃』までを取り上げ、その性格を明らかにした。