浄土宗祖法然が、それまでの仏教の常識、価値観、枠組みに疑問をなげかけたことにより浄土宗は開かれた。宗祖にとって念仏往生の論証とは、浄土三部経に説かれる仏のことばを善導の釈義を通して解析していく作業であった。その善導に対して宗祖は「偏依善導一師」と宣言しているほどに重要人物である。本稿ではこの善導の研究のありかたを分野別に素描した。