キーワード:善導、還帰、往生、中国詩 善導は『観経疏』で「自身は現にこれ罪悪生死の凡夫、曠劫よりこのかた常に没し常に流転して、出離の縁あることなし」述べ、はじめて浄土に「往」くことを示唆しながら、その一方でしばしば「還」「帰」(かえる)と言いかえる。この問題を善導の著作中から用例をあげ、列祖の解釈を確認し、中華の詩文とも関連させながら、最終的に「還帰」を使用する妥当性について考察した。