第3章「公共と地域住民 --町内会を軸とした地縁型組織の可能性」で、明治期以降の町内会の歴史的背景と特徴を概観し、町内会が公共の場になる可能性を検討した。町内会には集団主義的で行政の下請けであるというイメージがあるが、ボランティアや市民運動などの自発的組織と連携し、住民が主体となって行政との協働を実現していくならば、町内会を基盤として地域に公共の場を創出することが可能である。