第10章「ミードの時間論」担当。ミードの時間論は現象学的社会学の発想と同様のものとして解釈されてきた。しかし、ミードは内的時間意識や時間の主観的意味を問題にしたのではなく、対象との関係を時空間的パースペクティヴによって考察したのである。ハースペクティヴ概念を人間有機体だけでなく、すべての事物に適用することによって、人間有機体と環境との相互作用の過程から時間が構成されることを説明することができる。