第7章「生活倫理と職業倫理の持続と変容 ―集団主義再考―」担当。 在日韓国・朝鮮人の生活史調査から,彼らと日本人との民族関係の在り方を第二次大戦前から検討する。両民族の顕在的結合を可能にする生活倫理や職業倫理は,対面的な状況において育まれる可能性がある。そのためには,家族重視の集団主義的倫理を生かしながら夫婦関係を尊重し,地域や職場で日本人との関係を結ぶことが求められる。ただし,構造的差別の解消が前提にされるため,現状では両民族の顕在的結合の実現は困難である。