本報告は『米澤弘安日記』を資料とした日記分析の意義と課題を検討するものである。日記は金沢の象嵌職人であった米澤弘安(1887年~1972年)が大正期を中心にして記述したものである。報告では、この日記を基礎資料とし、G.H.ミードとA.シュッツの理論を応用して、日記本文を解釈・分析するときの意義・利点と注意すべき方法的課題について検討した。