キーワード:日記分析、生活構造、近隣関係、近代化 大正期金沢の象嵌職人が地域社会で結ぶ人間関係を分析し、個人が主体的に形成する生活構造の側面から地域社会の特徴を検討した。大正期金沢の「地の者」には、これら三種の人間関係が重複しており、さらに伝統職人の場合、仕事関係がインフォーマルな人間関係と重複する。このような生活構造が地域社会の形成と維持に寄与しており、「伝統都市」金沢の創出、すなわち金沢の近代化を特色づけている。