本稿は、2000年4月から施行された介護保険法が、なぜ、社会保険方式に基づく施策となったのかを、「社会保障構造改革」のキーワードである「社会連帯」理念に焦点をあてて明らかにすることを課題とした。結論として、同理念は、社会保障に対する「公的責任」の後退と、それに対応して増大する国民負担を強要するために作られた操作概念であり、これによって、介護に対する社会保険方式の導入が進められたことを明確にした。