本稿は、世紀転換期イギリスの最大の政治課題であった「社会改良と帝国主義」の関連を、J.Aホブスンおよびウェッブ夫妻がどう把握していたかという点を明らかにした。結論として、両者には方法や社会政策に対する見方に相違点があるものの、従来論じられていたこととは異なり、「帝国主義」を是認する「アングロ・サクソン中心主義」とも言える立場を共有していたことを指摘した。