本稿は、寛正から明応年間にかけての松梅院主である禅予による社領復興を例にしながら、地域権力の勢力伸長により経営が困難化した寺社本所領の維持に関し、禅予が所領問題にどう対処したかを考えると共に、所領問題が北野社全体のありようにどう影響したのかを考える。