室町期守護権力の政治に大蔵経が果たした役割を検討した。経典の請来を地域権力の単なる個人的な信仰の産物ととらえるのではなく、守護権力が直面する政治的な課題に具体的に果たしうるものととらえ、領国統治、対幕府政策という二つの側面から大蔵経の果たした役割を検討した。