本書は根本説一切有部律のけん(牛+建)度を構成するPandulohitakavastuという章に関して、ギルギット写本を用いてのサンスクリット校訂テキスト、8種類のチベット訳写本・版本を用いてのチベット訳校訂テキスト、及びテキストのドイツ語訳と全体に対する研究とを付けたものである。今日的な文献学の手法を踏まえながら可能な限り厳密な校訂を行い、併せてこの律蔵の有する特異性や独自性を研究において明らかにした。(総255頁)