仏教の教団法をまとめた律文献には「浄法」と呼ばれる特殊な概念が存在する。この浄法は仏教教団が現実社会との関係の中でどのように変化してきたを知る上で重要な要素である。本論文では諸律のうちで、『摩訶僧祇律』にみられる浄法の具体的な用例をすべて抽出しその全体像を解明した。その結果、『摩訶僧祇律』における浄法の特殊性や意義が明かとなった。(総23頁)