仏教教団が食をどのように受容していたかについては、律蔵中に説かれる「浄地」の問題を考慮する必要がある。この視点に立って、本稿では諸律に説かれる浄地の内容を検討し、部派間の相違を明らかにした。それにより、浄地の許可に関しては、それを認める部派とそうでない部派のニ系統が存在し、部派によって浄法に対する見解や、規制の緩和に対する姿勢に大きな異なりがあることが判明した。(総16頁)