一般に、初期の仏教教団は四依に基づく修行生活を送っていたとされるが、それが具体的にどのような状況を指すのかは未だ明らかにされていない。本稿では、律蔵内の四依に関わる事例を精査し、四依が教団法として規定されていない事実を確認した。併せて四依が仏教教団にとっての理念を表示するためのものであり、それが教団の実状をそのままに反映するものではない点も明らかにとなった。(総6頁)