従来、史料不足によって必ずしも明らかになっていない、郡国文学の任用方法・職務内容について、出土資料の尹湾漢簡に見える記事から分析を加えた。その結果、前漢時代の郡国文学は、一般の属吏とは異なり、中央政府から任用された。またその職務は、郡国における教育ばかりではなく、儒家的教養を前提として、地方行政における地方長官のブレーンの役割を果たしたと考えられる。