キーワード:張家山漢簡、史律、博士弟子制度、教育制度、属吏養成制度
張家山漢簡「二年律令」に含まれる「史律」は、文献史料の記載と重複する部分もあって注目される。しかし、その全体の内容については不明な部分が多く、これまでの研究でも十分に明らかにされたとはいえない。そこで本稿では、「史律」が史・卜・祝という専門職の属吏の養成を目的とするものだと考えて、これを、教育制度と属吏養成制度としての側面から分析した。その結果、「史律」の全貌はなお明らかにはできないものの、そこには後の博士弟子制度と共通する面が存在することを指摘し、さらに今後の研究の方向性を提示した。