先に分析した張家山漢簡「史律」の分析結果を前提として、そこに見える「史書」がいかなるものかを、文献史料の用例とも比較しながら検討した。その結果、「史律」に見える「史書」は、史ではなく卜に課される図書であることから、文献史料に見られる「史書」の文字に関する図書という解釈は成り立たず、恐らく卜がその職掌とする「術数」に関わる専門の図書ではなかったかと考えた。