キーワード:長沙市五一広場、簡牘、走馬楼、東牌楼、臨湘県
湖南省長沙市の中心地・五一広場周辺では、一九九六年の三国呉簡の出土以来、 今日に至るまで重要な簡牘の出土が相次いでいる。この地は、漢代以降、長沙郡 (国)の治所が所在する臨湘県の置かれたところで、簡牘の出土場所は郡(国)か 県の官署が存在したと考えられる地点に所在する古井戸である。いわば行政の 中心地点から出土したもので、その内容は墓葬出土の簡牘とは異なる、「生の行 政」の実態が判明すると期待される。本稿では、発掘報告書等に基づきながら、 その簡牘出土位置を再確認するとともに、さらに周辺から出土した古井戸の機能を考えつつ、臨湘県城の範囲についても検討する。