本書は比較家族史学会が監修する「シリーズ比較家族」の第9巻に相当する。内容は第1部「日本における喪と穢れ観念の変遷」、第2部「異文化における死者祭祀の構造」に分けられている。八木は本編最後に、「民俗慣行としての死者祭祀」と題して、本書の総括的なまとめを行なうとともに、日本の民俗社会における死者祭祀の諸問題について、伊豆諸島の事例を上げながら、若干の分析を試み、かつ今後の研究の指針を提示する。