民俗学における先学の婚姻研究を回顧しつつ、従来の婚姻研究の中の、特に婚姻類型論が、婚姻の歴史的変遷説に依拠して作られたものであり、今日の婚姻や家族研究においては多くの問題を蔵していることを指摘する。その上で、社会構造との関連において婚姻を捉えてゆく必要性を説き、そのための新たな婚姻類型論の可能性を提示する。