家島神社の夏祭りである、俗称「天神祭り」の今日の実態を詳細に報告すると同時にこの祭礼の本来的意味について分析を試みる。さらに、今日の民俗事象や種々の伝承に加えて、近世文書をも利用し、家島神社の起源・信仰圏・その変遷について分析し、さらに神社祭祀を通して見た家島の真浦・宮というふたつの村落の、近世以降の繋がりや独自性、村落間の序列の交替についても歴史民俗学的視点より独自の見解を提示する。