柳田国男以降の婚姻をめぐる民俗学研究の意義と問題点を分析した上で、婚姻研究を家族研究との関連において分析するという研究視角を提示する。さらに従来の婚姻類型論の問題点を指摘し、家族の構造・婚出者の生家への依存度・婚姻承諾儀礼の形態などの新しい指標を設定して、八木独自の9つの婚姻類型を提示する。さらにそれぞれの婚姻類型と家族の構造との対比を試みることによって日本家族と婚姻の構造的特質を抽出する。