山形県庄内地方および新潟県北部地域に見られる、婚姻後の若夫婦が毎夜妻の生家を訪問するという、シュウトノツトメと称せられる特異な家族慣行について、この地域では母方の生家をマゴノイエと呼び、当該家の跡取である長男の婚姻に際して、仲人を勤めるという慣習が、今日まで残ることを指摘し、またその家は当該家にとってもっとも大切な親戚であるとする事例をもとに、独自の分析を試みる。